
伊勢神宮が創建された後のある年の秋でした。一羽の真名鶴 (まなづる)が昼夜鳴いており、倭姫命(やまとひめのみこと)が使いをやると鶴は元が一株で八百の穂に茂った稲をくわえていたそうです。それを倭姫命が天照大神の御前に懸け奉られたのが「懸税(かけちから )」です。
この真名鶴伝説を起源とし、伊勢神宮では「神嘗祭(かんなめさい)」に、両正宮の内玉垣と各別宮の瑞垣に懸税を奉り、その年の実りに感謝します。伊勢神宮からおよそ 15km離れた明和町に斎宮がつくられたのは、こうした 伝説と深く関わっているのかもしれません。
カケチカラ発祥の地に立ち、青空を見上げれば、神宮をめざし古の時より天翔ける真名鶴の優美な姿 が偲ばれます。
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