
斎王制度が確立した後、斎王は天皇の即位に伴い、未婚の内親王または女王から占いによって選ばれました。斎王に任命されると宮中の初斎院(しょさいいん)や、野宮で心身を清める潔斎(けっさい)の 日々を約3年過ごします。その後、いよいよ慣れ親しんだ都を離れ、数百人ともいわれる従者に伴われて、葱華輦(そうかれん)という輿に乗り斎宮へと向かいます。
「斎王群行(さいおうぐんこう)」と呼ばれる5泊6日のこの旅は、斎王にとって神に近づく禊祓(みそぎ はらえ)の旅であり、聖なる神領の入り口を流れる「祓川」で斎宮に入る前の最後の禊を行ってようやく斎宮に着任します。静かに流れる祓川の水面を眺めていると、1 0 0 0年の時を経て斎王の数奇な運命が映し出されるようです。
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