
平安時代を代表する物語文学『源氏物語』にも、斎王・斎宮が多く描かれています。
ほかにも「竹河」帖には、今も残る斎宮の地名「竹川」が登場し、竹川にある花園を舞台にした恋の歌を宴で紹介する場面があります。斎王が生きた時代、このあたりは川にほど近く、斎宮からは花園を一 望できたはずです。四季折々に咲く美しい花に、遠く過ぎ去った都での思い出を重ねながら、心癒す毎日を送っていたことでしょう。
たとえば、六条御息所が斎王に選ばれた娘とともに伊勢に下る「賢木(さかき)」帖 、その娘が斎王を退任し、冷泉帝に入内したことで斎宮女御(さいくうのにょうご)とよばれる「絵合(えあわせ)」 帖などですが、これは実際に娘に付き添って斎宮に赴いた徽子(よしこ)女王と規子(のりこ)内親王親子がモデルとされています。
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